好きなことを好きっていうのは怖い(読書感想)

青空に風船(PEN E-PL3)

年末にブルーピリオドという漫画を買いました。
器用だけど本気になれるものがないまま、どこか虚しさを感じている男子高生が、美術部員の絵を目にしたことをきっかけに、絵を描き始め、美大を目指すというストーリー。

美術というと「才能がある人が才能だけで生きていく」ようなイメージがあって、主人公もそんな風に思っていたけど、そうではない、ということが描かれています。
正解のない世界で、誰かと比べるのではなく、自分にとっての1番を目指していくこと。自分は何を考えているのか問いかけ、それを表現すること。それは生きることそのものだと感じさせられます。

ただ現状に満足して生きて行けたら幸せなのかもしれないけれど、どうしてももっと良くなりたいとか、評価されたいとか、誰かより上でありたいとか、そんな欲が出てきてしまう。
受験であればなおさら、評価され、優劣をつけられ、選ばれなければいけない世界。
その中で、好きなもの、大切なものを表現しようとするほどに、「受け入れてもらえなかったら…」という気持ちが強くなる。

2月に発売された4巻は、センター試験〜一次試験を迎えて、そんな壁を乗り越えるべくもがく主人公たちが描かれています。
1巻に出てきた、「世間的な価値じゃなくて、君にとって価値のあるものが知りたい」「自分に素直な人ほど強い。文字じゃない言語だから」という言葉が、重みを持って、実感を伴って現れてきます。
個人的には、自信の話がすごく刺さったし、主人公に共感しました。あなたはわたしか!?と思うほどに。

ここから先、登場人物たちはどこへ向かうんだろうと思いを巡らせるのと同時に、自分はどこへ向かうんだろう、どうしたら強く生きられるのかと思わずにいられません。
意欲を刺激される漫画です。

女装男子のユカちゃんが、折れたまま受験に向かってしまって、とても心配…。
主人公は一次試験に通るのか、合格できるのか。続きがとても気になります。

実は4巻は2月に発売してたのに知らなくて、今日買ってきました。
お昼休みに読んじゃった。
自由に自分勝手に楽しめばいいんだよと言われて、「自由でなければ!」と逆に自分を縛り付けちゃう主人公に、ほんと共感しかないです。